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気温の激変に対抗している身体の恒常性と漢方薬の役割

 

私たちの身体は外界および体内環境の変化を受けても、体温や血糖値、血液酸性度などの生理状態を常に一定範囲内に調整し、身体を正常に働かせるように調節しています。これを生体恒常性(ホメオスタシス)と言います。

たとえば、今年の春のように気温が激変するような気候の時にも、体温を一定に保ち、内臓の働きを維持し、筋肉を働かせ、動けるようにしています。

私たちの身体は北海道などの寒冷地で屋外に放り出されるとたちまち生命が維持できなくなりますが、そんな中でも生命が維持されるのはこの生体恒常性の働きのおかげだと言えます。

生体恒常性は、神経系(自律神経)と内分泌系(ホルモン)の働きによって維持されますが、近年ではこれに免疫系を加えて、三者の相互作用で維持されると考えられています。

<神経系・内分泌系・免疫系の働き>


ホメオスタシスの三角形とも呼ばれます。
神経系・内分泌家・免疫系の相互作用

■自律神経(神経系)
自律神経は、体の内外からの刺激に反応して、生命を維持するためのさまざまな働きを制御する役割を担っています。呼吸・心拍・血圧・体温・発汗・排尿などはすべて自律神経で調節されています。
ストレスなどで自律神経が失調すると、ホルモンバランスが乱れ、だるさ・頭痛・めまい・食欲減退・月経異常・性欲減退などの様々な症状が出てきます。また、免疫力も低下して感染症などにかかりやすくなります。

■ホルモン(内分泌)
ホルモンは脳下垂体、甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、睾丸などの内分泌腺から分泌され、からだの成長を促し、正常な代謝機能の維持、消化液の分泌調整など、生体が健康に生きるための様々な機能を調節する働きがあります。
血圧や血糖値、カルシウム濃度などが正常値の範囲を外れてくると、その情報が神経系を通じて脳の視床下部に伝えられ、そこからの指令が脳下垂体を経由して体内各部の内分泌腺に送られて、そのときどきに必要なホルモンが、必要な量だけ分泌されます。

■免疫
免疫とは、生体を細菌やウイルスなど様々な病原体の侵入から守り、健康なからだに維持する機能です。「病は気から」ともいわれているように、免疫システムもまた、神経系や内分泌系と密接な関係にあることがわかっています。
感覚神経など求心性神経の活性化が、脳のホルモン中枢や視床下部などを刺激し、ホルモンの分泌を介して全身の免疫系を制御しています。

<具体的な例>

  • 体温の恒常性

私たちの体温は、夏でも冬でも、外気温に影響されることなく36.5度内外で一定に保たれています。この体温調節機能は、鳥類や哺乳動物の生体恒常性(ホメオスタシス)の一つであり、その特徴ともなっています。

身体には「暑さ」を感じるセンサーが二つあります。一つは外気温を感知する皮膚のセンサー、もう一つは体内の温度を感知する脳(視床下部)です。これら二つのセンサーからの温度情報を脳が判断して、体の内部の温度を一定に保つために発汗量を調節します。

体温が高くなったと判断されると、脳は交感神経を刺激して汗腺からの発汗を促します。発汗による気化熱で体温を下げるのです。逆に体温が低くなった場合には汗腺を閉じ(鳥肌が立った状態)、それでも足りない場合には、筋肉をブルブル震わせて発熱を促します。

なお、ホルモンの分泌異常や自律神経のバランスの乱れなどで発汗することがありますが、これらは生体恒常性とは別の現象です。

  • 血糖値の恒常性

私たちは、食べ物として摂取した炭水化物を体内でブドウ糖のかたちに変え、それを血液の流れに乗せてすべての細胞に運び、エネルギー源に利用して生命を維持し、活動しています。

ブドウ糖をエネルギーに変えるのは、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。

血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は、正常では、空腹時で1デシリットルあたり70110ミリグラムという比較的狭い範囲に保持されています。血糖値が上昇するとインスリンの分泌量が増え、下がると減少するネガティブフィードバック機構で調整されているからです。

私たちの身体は、どの細胞も血液中のブドウ糖をおもなエネルギー源として活動しており、ブドウ糖なしでは生きていくことができません。血糖値レベルを一定に保っておくことは、生体の恒常性を維持していく上でとても重要な機能なのです。

 

今年の春は気温が激変し、この生体恒常性を保つのに、自律神経でバランスをとり、たくさんのエネルギーを使っていました。

そのため、疲弊してしまい体調不良を訴える方が増えたのです。

身体の疲れは心の疲れにも繋がります。

暑くなる前に、神経系、内分泌系、免疫系の弱った所を補充しておきましょう。

 

そのための漢方薬・自然食品があります。ご相談下さい。

 

気温の変化についていけ名都お悩みの方の

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薬剤師 小西裕紀子